蝶の舌(口吻)と深山鍬形   スペイン映画 1999年作「蝶の舌」より                  ★★★★  
   
映画『蝶の舌』を観ました。

昆虫が出てくる映画と言えば、キモチワルイ系がほとんどで 
たまに 美しい物の象徴として描かれたりします。

この映画では、自然の理として 登場します。

スペインの映画でした。

舞台は、戦争へと傾斜しつつある時代 ある田舎の村です。
主人公は、学校へ上がったばかりの モンチョという少年で、
彼が様々なことを体験して成長するのを 淡々と描いていきます。
   
特に 学校のグレゴリオ先生からは 
たくさんのことを学びます。


先生は 特に自然を深く愛しており、彼に
オーストラリアには ティロノリンコという 花を摘んで求愛する鳥がいる ということや、
蝶には 普段隠れて見えない 渦巻き状の舌があり、花の蜜を吸うときに自然に伸びてくるということや、そしてそれを観ようと思うと 顕微鏡がいるなどということを モンチョに教えてくれます。
   
美しい自然の中に登場するのは、日本で言うと ギフチョウに近い種とに見えますが、
アゲハの仲間 です。
   また、ヨーロッパミヤマクワガタ も登場します。
   
グレゴリオ先生は ヨーロッパミヤマクワガタの学名
『ルカヌス・セルヴス(Lucanus cervus)』

と教えてくれますが、『空飛ぶ鹿』とも説明します。

ヨーロッパでは、ミヤマはシカに似ていると 認識されているのですな。

ちなみに 本種がヨーロッパでは最大の クワガタ かつ 昆虫です。

映画は、最後に 悲劇的結末を迎えます。

『蝶の舌』は 誰が持っているのか、そこで明らかになります。

★★★★☆